板橋 文音(いたばし あやね)
東京都出身。東京都立墨田川高等学校卒業。
作曲を松下倫士、伊藤康英に師事、トロンボーンを五箇正明に師事、ピアノを岸本伸子、三瓶弥生の各氏に師事。
2023年度
作品発表演奏会
日時:2023年12月18日(月)
会場:洗足学園 前田ホール
自身初のオーケストラ作品であり、これまでで最も悩みながら作曲した曲です。
徐々に這い上がるようなGraveから、一転して少し不思議で軽さのあるAllegro、後に力強いAllegro Maestosoで曲を結びます。
全体を通して暗く複雑な魅力のある海底を進むようなイメージであること、作曲中は先の見えず、追い詰められるような思いであったことから「海洋底には」と名付けました。どうか少しでも、私の世界と音が結びつく瞬間が現れることを祈ります。
最後になりましたが、初演してくださる指揮者の松村先生、オーケストラの皆様、ご指導いただいた先生方へ感謝申し上げます。
この曲は、オーケストラで演奏されることを想定して作曲し、そのスケッチを2台ピアノの編成にして書きました。オーケストラを想定した作曲が初めてであることや、オーケストラでのイメージとピアノのイメージの違い、自身の作曲への迷いなど、今まで作曲した中で最も悩みながら作曲しました。
「海洋底には」という曲名は、悩みながら作曲することが、広大で暗い海底を進んでいるような不安と、海への探究心のような情熱が入り混じる気持ちであったことや、潜水艇で酸素が足りなくなるような差し迫る感覚であったことをもとにしています。
暗く長い冒険のような曲ですが、その中の繊細さにも注目して聴いていただければ幸いです。
2022年度
作品発表演奏会
日時:2022年12月20日(火)
会場:シルバーマウンテン1F
題名の「美し ふれて」には様々な意味が含まれています。「美し」には、うつくし、くわし、などの読み方があり、ただ美しいというだけではなく、細やかな美しさ、という意味も併せ持っています。「ふれて」には、触れて、振れて、狂れて、などの漢字が当てられ、それぞれ異なる意味を持ちます。
この曲は自身が書く初めての弦楽四重奏曲であり、また、初めての無調性の曲でもあります。弦楽器の美しさや細やかさ、無調性の美しさや繊細さ、そしてそれらが振れて、狂れる瞬間に触れられるような曲にしたいと願い、「美し ふれて」と名付けました。是非楽しんでいただけると幸いです。
録音・録画会 in Summer 2022
日時:2022年8月29日(月)
会場:シルバーマウンテン1F
この曲は吹奏楽のためのワルツです。5つのワルツが登場し、その後登場したワルツが交わり合いながら終わりへと向かいます。三拍子が止まることなく廻ること、変わらないことから、Merry-go-roundとamourを組み合わせた題名を付けました。是非楽しんでいただければ幸いです。
2021年度
松下倫士門下作品発表会
日時:2022年2月17日(木)
会場:シルバーマウンテン2F
この曲は、日が沈んだ時間の街を思い浮かべて作曲しました。第1主題は、半音の動きが特徴的な旋律で、暗いなかにざわめく都会の夜の街の熱を描いています。第2主題は、第1主題と比較するとゆったりとした旋律で、静かな人のいない夜の風景を描いています。夜の暗さを表すため、第2主題の最初はes mollであるのも特徴的です。2つの主題は、それぞれ全く違う雰囲気を持つものを書いたので、その対比を是非楽しんでいただければと思います。
作品発表演奏会
日時:2021年12月21日(火)
会場:シルバーマウンテン1F
この曲はタイトルにある通り、夜の情景をイメージした曲です。
日が沈んだ後の少し怪しげな夜、澄んだ空気の上の星空がだんだんと目まぐるしくなる様子、日が昇るまでを一曲にしました。
夜色は本来(やしょく)という読みで「夜の景色」という意味の単語ですが、今回は夜色(よるいろ)抒情詩というタイトルをつけました。
是非、暗闇の中に見える夜の色を楽しんでいただければと思います。
録音・録画会 in Summer 2021
日時:2021年8月30日(月)
会場:シルバーマウンテン1F
この曲は3つの楽章で成り立っており、それぞれに違うロケーションが宛てられております。第1楽章は物語の幕開けをイメージしており、金管アンサンブルらしいファンファーレで始まります。第2楽章は旋法を用いた響きで、現実とは乖離した時空に存在する場所を表現しています。第3楽章は夏の尖るような暑さと街の明るい部分、夏の陽気さがそれぞれ顔を出します。3つそれぞれの楽章で、皆さんが心の中に挿絵を思い浮かべながら聴いていただけたらと思います。