田中 凪人の世界

田中 凪人(たなか なぎと)

神奈川県出身。13歳の頃より浄書ソフトに触れ、独学で作曲を始める。作曲を増井哲太郎、松浦真沙、ピアノを梶木良子に師事。

2025年度

作品発表演奏会
 日時:2025年12月24日(水)
 会場:シルバーマウンテン1F

木管五重奏のための組曲「時のうつろい」

 この組曲のテーマは、「Tempora mutantur, nos et mutamur in illis」日本語訳で「時は移ろい、我々も時の移ろいの中で変わる」というラテン語の格言に基づいています。音楽的に解釈してみると「時代は音楽を変え、音楽が人を変える」という感じに捉えることができます。そこで本作では時の移ろいを体験できるように、西洋音楽史を古代・近現代を除いた中世・ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派の5つの時代を選定して、それぞれの時代の音楽様式を自分なりに装飾しながら作曲に取り組みました。

I. 前奏曲
 ファゴットによるオリジナルの定旋律が歌われ、拡張された定旋律がホルンによってオルガヌム風に受け継がれます。短い推移を経て、中間部では通模倣様式の影響を受けてポリフォニックに仕上げている。再びオルガヌム風のセクションに回帰し、最後は低音を保持したまま終止する三部形式の曲です。

II. 羊飼いのファンファーレ
 冒頭ではホルンによるファンファーレが鳴らされ、リトルネロ形式風に主調のヘ長調からテンポも変えつつ様々な調へと展開していき、最後は主調のヘ長調に落ち着きます。所々に羊などの鳴き声のモチーフを織り込み、のんびりはしないけれど、どこか牧歌的な雰囲気をもつ曲に仕上げています。

III. ソナチネ
 提示部では、フォルテに向けてクレッシェンドしていく第1主題と、推移を経て現れる属調で浮遊感のある第2主題とを対比させています。展開部は短く、第1主題を拡張しつつ半音階的に展開し、その上に第2主題の動機のリズムを重ねることで緊張感を持たせています。再現部では、主調に戻り、第2主題も主調に調整され現れます。コーダでは古典派らしく軽やかに終止します。

IV. 序奏とポロネーズ
序奏では、グラーヴェのテンポで重々しくはじまり、調性も不安定なまま進みます。やがて調性が解決するとポロネーズに向けて推移していき、ポロネーズ特有のリズムに乗せてメロディーが奏でられます。

作品収録演奏会 in Summer 2025
 日時:2025年8月28日(木)
 会場:前田ホール

セレナーデ《オリエンタリズム・フランセーズ》

東方趣味(オリエンタリズム)は、西洋において文化や芸術の創作に影響を与えてきた概念である。私は東洋人としての立場を持ちながらも、あえて西洋的な視点からこのテーマを客観的に捉え、東方趣味をコンセプトとした作曲に取り組んだ。

本作は全5曲からなるセレナーデである。「パリとヴェルサイユの前奏曲(フランス風)」に始まり、東方趣味の要素である「テュルクリ(トルコ趣味)」「シノワズリ(中国趣味)」「ジャポニスム(日本趣味)」を順に経て、再び「タンブーラン(フランス風)」へと回帰する構成となっている。

楽器編成には弦楽四重奏とチェンバロを用い、新古典主義音楽と民族音楽的要素の融合を目指した。

2024年度

作品発表演奏会
 日時:2025年12月20日(金)
 会場:シルバーマウンテン1F

ルーラル・チャーチ

「ルーラル・チャーチ」とは、田舎の教会を意し、その情景をソナタ形式をもとに自由に書きました。
イ短調の厳かな序奏から始まり、次第にニ短調の第一主題に進む中で、オルガン風のパッセージが現れ、第一主題とともに教会内の雰囲気を表現している。やがて教会の外に出ると第二主題になり、広がる田園風景をイ長調で提示している。いずれ教会内に戻ると展開部になり、オルガン風の音楽を聞かせ、ニ短調の再現部に向かう…。

録音・録画会 in Summer 2024
 日時:2024年8月26日(月)
 会場:シルバーマウンテン1F

チェロとピアノのための幻想曲 『深淵』

この楽曲は自由な構成の幻想曲として作られており、冒頭のバラード風の楽想から流れるように変化し、私が受けた多様なインスピレーションに基づく楽想が次々と現れていく。後半では各々のフレーズがさまざまな箇所で再現されるものの、最後には主音に解決せずに締めくくられる。

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