駒井城惟の世界

2020年度

作品発表演奏会
　日時：2021年1月14日（木）
　会場：洗足学園前田ホール

組曲「孤独なピアニスト」より Ⅴ. 別れの詩（わかれのうた）

この作品は、制作中であるピアノ独奏のための組曲「孤独なピアニスト」から抜粋したものです。この組曲は、ずっとピアノとだけ心を交わしていたピアニストが、初恋とその失恋を機に、友達や家族の愛を知る、という架空のストーリーに沿って描かれています。
この「別れの詩」では、どん底にいるピアニストが友達や家族の愛に触れ、意中の相手に別れを告げるシーンとなっています。ピアニストの愛しくも悲しい、ピアノで奏でる心からの”別れの詩”をお聞きください。

録音・録画会 in Summer 2020
　日時：2020年8月31日（月）
　会場：シルバーマウンテン１Ｆ

抒情的奇想曲

冒頭は、不気味な暗さと不思議な明るさも持っている嬰ハ短調の和音が鳴らされまれ、その中から憂いを帯びたヴァイオリンソロが始まります。葛藤や迷い、怒りや不安を表現したあと、曲はなどを表現していき、ホ長調へ解放された後、イ長調(後に変イ長調)へとおさまります。ヴァイオリン、ピアノ、フルートのそれぞれのどこか儚く切ない、愛に溢れた旋律を歌ったあと、嬰ハ短調へ戻りハ長調を経て、最後には何かを祝福するような、眩い明るさを持つ嬰ヘ長調で曲は終わります。様々な表情や感情、まさに抒情的な音楽が、2人の奏者によって演奏されます。この曲の大半は短調ですが、曲中ほとんど#系の調しか出てきません。#のもつ明る暗い独特な響きを、楽しんでいただけたらと思います。また、曲中には何度か、有名な作曲家のオマージュが盛り込まれています。誰のなんの曲なのか、考えながら聴いてみるとまた面白いかもしれません。