鍾 熙賢の世界

2020年度

作品発表演奏会
 日時:2021年1月14日(木)
 会場:洗足学園 前田ホール

Crossroad 1.Dusk 2.Dawn

2020年は私の21年間の人生の中で、最も不安定な一年だ。昨年の多くの時間をカナダで過ごしていた。昨年度の2月、実家のカナダに帰省したが、ちょうどコロナヴィルスの影響によって、日本に帰ることができなくなったからだ。このヴィルスは命への脅威はもとより、世界中の経済へのインパクトも前代未聞だった。私の多くの友達が仕事を失ってしまい、生活に困窮している人もいた。だが、彼らはこの話を私に相談しても、私はどうやって彼らを慰めれば良いかわからず、このような不幸に嘆息するしかない。それで「私はとっても幸せだ」と意識した。私はまだ若く、大学で勉強していて、まだ仕事のことを考えなくでもいい年齢だ(そうは言うけど、来年は三年生になるので、少し心配してきた(笑))。医師や看護師をはじめとして、多くの人々がこの世の中の安全と安定を祈り、努力している。
「我々は、どうして自分の夢を追えないのですか?」「我々は、大切な時間を無駄にしても良いのですか?」と思ったとき、この二つ曲の旋律は徐々に湧いてきた。一つは光が失わされるとき、人間の未詳への恐怖。もう一つは、暗闇の中で道を示す英雄を託された、希望の種。
「Dusk」とは:夕暮れ、黄昏。
「Dawn」とは:夜明け、黎明。

2019年度

作品発表演奏会
 日時:2020年1月9日(木)
 会場:洗足学園 前田ホール

Tir Chonaill

中世のアイルランドはアイレフ国に支配されていた。アイレフ国王は、国民の生活を無視し税収を増やし、他の村や国を侵略した暴君だった。「Tir Chonaill」 (ティーア チョーネル)は アイルランドの北部にある美しい村である。川、山、動物、稲作地と集落の田園風景は人の心を癒せ、村民は仲良くし食料も豊かだった。この村はアイレフ国と遠く、アイレフ国の魔の手は届いていなかった。世に安心して暮らせる場所はここ位であった。しかしここで産れたある少年は、「もっと、もっと強くなりたい」と思い、故郷を去って遠くの冒険に出掛けた。ある日アイレフ国の軍隊が遠征の時、この村を見つけ、後にティーアチョーネルのことを国王に報告した。国王は絵のような綺麗な風景に驚き、この村を手に入れたいと思い、その後アイレフ国の軍隊が村に襲いかかった。村民は一生懸命に戦ったものの結局負けてしった。冒険から村に帰った少年はもう立派な青年となり強くなっていた。村の惨状を見た青年は村を救いたいと願い、村民を率いて軍隊を撃退した。この曲は三つの楽章から成る。

第一楽章:Tir Chonaill 美しいティーア チョーネル風景です。時には踊り時にはごちそうをする。人々はここに幸せに暮らしいる。そこに生まれた少年は、不安や激動、将来の想いを持って彼方へ旅立った。

第二楽章:Ambience Of Night 蝉の声、風の吹く声と川の流れの音が聞こえる、ティーア チョーネルの平和な夜。しかし危険が近付いていることに誰も気付かなかった。

第三楽章:Return Of The Hero アイレフ国の軍隊は村に襲いかかった、戦った経験が全くない村民は必死に応戦したが難しかった。ティーア チョーネルは、この町が永遠の夜に沈んで良いのものかと立ち上がった! 彼はさらに村民の希望を胸に反撃をした!

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