瀧本 理夏の世界

瀧本 理夏(たきもと りか)

東京都出身。多摩大学附属聖ヶ丘高校卒業。幼少期よりクラシックピアノを西嶋薫氏に師事。これまで作曲を由雄正恒、松浦真沙、作曲理論を木下淳雄、チェロを羽川真介の各氏に師事。

2023年度

作品発表演奏会
 日時:2023年12月18日(月)
 会場:洗足学園 前田ホール

奇妙な音楽家

今回は、グリム童話の《奇妙な音楽家》というお話を曲にしてみました。お話はこちらから読めます。短いお話なのでぜひ読んでからお聞きください。
https://www.grimmstories.com/ja/grimm_dowa/kimyona_ongakuka
物語を曲にするというのは初めての試みでしたが、自分の新しい音楽を開拓できたような気がします。物語の終始漂う不穏な空気と、偏屈でスッキリしない結末が上手く表現できていたら幸いです。

1.序章 2.森 3.ある音楽家のテーマ 4.狼との出会い 5.ある音楽家のテーマ 6.狐との出会い 7.ある音楽家のテーマ
8.兎との出会い 9.ある音楽家のテーマ 10.木こりとの出会い 11.幻想曲 12.復讐 13.献呈 14.再帰


編曲 スクリャービン作曲《Impromptu Op.12-2》

この曲は1895年、スクリャービンが23歳の時に作曲した初期の作品です。スクリャービンといえば「法悦の詩」や「プロメテウス」など中〜後期の作品が評価されていますが、私はスクリャービン特有の暗さとロマンチックさが素直に表れている前期の作品たちも好きです。今回オーケストラに編曲するにあたって、そのスクリャービンらしさを表現できるように尽力しました。


編曲 バルトーク作曲《ミクロコスモス》より《Ostinato》

ピアノのための練習曲集「ミクロコスモス」はバルトークが晩年に書いたピアノ教育作品です。その中でも今回私はNo.146「オスティナート」を選びました。オスティナートとは”執拗な”という意味ですが、その名の通りしつこく迫り来る様子が印象的な曲です。編曲する際はバルトーク自身が2台ピアノ版に編曲した楽譜を参考にしました。

2022年度

作品発表演奏会
 日時:2022年12月20日(火)
 会場:シルバーマウンテン1F

《弦楽四重奏曲》より 第一楽章、第四楽章

今回は、弦楽四重奏の第1楽章と第4楽章を演奏していただきました。
第2、第3楽章に引き続き、チャイコフスキーをはじめとした様々なロマン派作品を意識した作品になっています。
1楽章は暗く激しいソナタに、対照的に4楽章は快活なロンドの曲になっています。
この一年、ずっと書きたかった弦楽四重奏を手がけ、4楽章構成の一つの曲を完成させることができました。この曲が形になったのはとても実力のある奏者の方々のおかげです。今回演奏してくださった奏者の皆様に心から感謝申し上げます。

第1~第4楽章をつないだバージョンはこちから →

《弦楽四重奏曲》

録音・録画会 in Summer 2022
 日時:2021年8月30日(火)
 会場:シルバーマウンテン1F

《弦楽四重奏曲》より 第二楽章「waltz」、第三楽章「elegy」

今回は、四楽章構成の弦楽四重奏曲の第二楽章と第三楽章のみを演奏していただきました。実は最近チャイコフスキーにハマっていて、今回の曲はその影響を受けながら書きました。影響といってもロマン派終盤の和声進行は未熟な私にはまだまだ真似できず、格好だけですが(格好もままなっていないかもしれません)もし聴いてくださっている方が「ん? これチャイコフスキーっぽくないか」と思ってくださったら嬉しいです。

さて、まず第二楽章はワルツ、第三楽章はエレジーという構成はチャイコフスキーの弦楽セレナーデから取りました。メロディや和声も様々なチャイコフスキーの曲を聴きながら着想を得ました。私のお気に入りポイントは第二楽章の全パートピチカートのみで演奏される中間部です。交響曲第四番の第三楽章が好きだったのでここはどうしても書きたい部分でした。第三楽章のエレジーは弦楽セレナーデの第三楽章を参考にしました。書いた時も今もあまりに模倣しすぎていないかと不安になっていますが弦楽セレナーデの第三楽章が好きすぎるうえ、ということでそのまま出そうと決めました。
第一、第四楽章をまだ書いていないので主題やモチーフを二、三楽章に転用することができていないのが悔しいところですが、弦楽器の特徴を学びながら弦楽器の作曲に慣れ、冬までに弦楽四重奏を書き上げるという目標の第一ステージをクリアできたので嬉しいです。この調子で第一、第四楽章も書きたいと思います。

2021年度

録音・録画会 in Summer 2021
 日時:2021年8月30日(月)
 会場:シルバーマウンテン1F

自作の主題による変奏曲

音楽史をなぞったピアノ変奏曲。それぞれミュゼット風、バロック風、古典派風、ロマン派風のバリエーションになっている。ミュゼット風のバリエーションでは、三拍子で、フランス貴族が好んで踊るような明るい調子に変奏している。バロック風ではバロック時代ならではの対位法的なかけあいを取り入れ、古典派風では機能和声的な変奏になっている。ロマン派風は半音階やリズムの揺れを意識したロマン派前期のノクターンと後期のワルツの2つで、ワルツはロマン派らしい派手なコーダで最後を飾っている。

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