敖 和斌の世界

敖 和斌(ごう わひん)

中国貴州省出身。中学校時代より独学で音楽を学び、高校3年生の時に四川音楽学院作曲科の楊躍氏に師事して作曲を学ぶ。大学では作曲および作曲技法を専攻。
大学在学中、作品《サイバーパンク2077・亡命者》が「泰山大学生音楽制作大会」において最優秀クリエイティブ賞を受賞。2年生次には、卒業創作音楽会のために1週間で6曲の編曲と伴奏音源を制作。また、夏季休暇中には音楽スタジオでインターンを経験し、地域の民族舞踊公演のための音楽制作にも携わった。
現在は洗足学園音楽大学大学院作曲専攻に在籍し、清水昭夫氏と桑原ゆう氏に師事して作曲を学んでいる。

2025年度

作品収録演奏会 in Summer 2025
 日時:2025年8月27日(水)
 会場:シルバーマウンテン1F

山神の言葉

「山神」とは、人類が自然万物やすべての生命体に抱く尊称であり、ここで言う「山神」は具象的な神ではなく、自然そのものの精神的象徴である。本作《山神の言葉》において、「山神の言葉」とは単なる隠喩にとどまらず、大自然から現れる音の顕れである。それは風の音、雨音、落葉の音、花の咲き散る音、せせらぎの音など、あらゆる自然の響きに宿る意思の表現として捉えることができる。

《山神の言葉》は、サクソフォンと電子音響のために書かれた現代音楽作品である。演奏技法としては、マルチフォニックス、フラッタータンギング、スラップタンギング、エアーサウンドなどの特殊奏法を用い、電子音響にはリアルタイム処理や空間的設計を取り入れることで、自然と幻影の間にあるような聴覚的空間を作り出している。電子音響は山林の環境音の延長であると同時に、「山神」のもう一つの声の化身でもある。遠くの囁き、抑圧された低周波の鼓動、あるいは音響空間に映し出された自然の力が、そこには現れている。

作品《山神の言葉》は、自然に耳を傾ける精神的な旅であり、大地の奥深くから発せられる言葉なき詩でもある。聴衆一人ひとりが、それぞれの「響き」と「意味」を見出すことを願っている。

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