
韓 仕勲(はん しくん)
浙江外国語学院日本語学部卒業、3年前自分の生き方を決め、作曲で多彩な世界を描きたくて、音楽の一切をやったことのない自分は日本に留学しに来ました。最初は東京光ミュージック塾で周璟悦先生、汤宸先生、王昭然先生に師事し、その後洗足クロスアーツで矢野裕子先生、久保哲朗先生、木下淳雄先生に師事してきました。音楽に何も分からない自分は先生達の指導を受け、だんだん曲を書けるようになって、すごく嬉しいです。まだまだ未熟なところいっぱいあると重々承知していますが、これからも各時代の音楽を聴いて、大学の4年間で自分の音楽を視界を広げていきたいです。学校を卒業した後、社会で作曲の力を生かしていきたいと思います。
2025年度
作品収録演奏会 in Summer 2025
日時:2025年8月26日(火)
会場:シルバーマウンテン1F
この曲はアンデルセンの『人魚姫』を物語のモデルにして、自分の心の中の、違う展開の物語をソナタ形式で書きました。
「全く異形の人間が人魚たちを愛することはないだろう」と告げられた人魚姫は海の魔女の家を訪れ、美しい声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰った。魔女から「王子に愛を貰うことが出来なければ、姫は海の泡となって消えてしまう」と警告を受けた。更に人間の足だと歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じるとも言われたが、それでも人魚姫の意思は変わらず薬を飲んだ。
いよいよ王子と出会って、どこかで見たことのある二人はとても気が合いました。人魚姫は話すことができませんが、気の利いたかわいい彼女がとても愛しくなりました。彼らは一緒に集会を見て回り、紙の上でお互いの過去の生活を話しました。しかし幸せな日々は短い、魔法は不適切なタイミングで解け、人魚の尾が人々の軽蔑、驚愕、嘲笑の視線にさらされた。
「なぜ異種族と恋をしたのか!お前は王位を継ぐ者だ!隣国の姫君としか結婚すべきではないか?」王様が怒鳴った。
王子は苦悩だった。
人魚姫は王宮から追放された。王子は浜辺に行くこと禁じられた。苦悩した最後、彼はいままでの全てを捨てて、自分の望む未来を賭けることを決めた。
夜陰に紛れて、人の存在を飲み込む王宮を脱出した。浜辺にたどり着き、人魚姫のことを大声で叫んだ。返事してきたのは波の音だけだった。「ああ、声が出せないから。」彼はこれが最後のチャンスかもしれないとなんとなく感じ、この瞬間に決断しなければならなかった。ためらわなく海に飛び込んだ。何度も呼吸を整え、海底に潜り、ついにサンゴ礁のそばで人魚と出会った。声を失った人魚姫と人間は海の中で話すことはできなかったが、二人見つめ合っては共に過ごした悲しみと喜びを無言で語り合った。
第一のテーマは人魚が自分の気持ちが届かない悲しみを表現するつもりです。
第二のテーマは人魚が焦りやためらいから、自分の憧れる人を追いかける決心をつけるまでの過程を表現したいと思っています。
展開部では短い幸せと宮殿での激しい衝突を描くつもりです。提示部では再び悲しみの雰囲気に戻り、第二のテーマを省略して直接コーダに進み、王子が自分のすべてを諦めて人魚姫を追いかけ、最終的に広い海と空の中で二人の心が溶け合った様子を表現したいです。
全曲は柔らかい自然短音階の中の7和音と9和音を多く使い、儚い色をこの物語につけたいと思います。